エッセイ

「楽しさ」の求心力

投稿日:

「あの人には勢いがある」という表現がある。勢いのある人には、次々と良い出来事が起こる。ひとつの出来事が、また次の良い出来事を引き寄せている。だからリラックスしていながら、大きな成果を出すことができる。

逆に、何をしてもうまくいかない、そんな悪循環が続くこともある。自分的にも、はた目から見ても、まったく勢いが感じられない。人生には、目には見えない「流れ」が存在し、そういうときは、流れを変える必要がある。

少し前の自分は、まさにそんな状況で、どうしたら流れを変えられるだろうか、と模索していた。部屋の掃除をしたり、ランニングをしたり、人に会ったり、いずれも効果はあったと思うけど、一番良かったのは、勇気を出してお金を使うようにしたことだった。(関連記事:「個人でベーシックインカムの実験を始めることにした」

減ることを恐れるのではなく、使うことを楽しむ。その結果、さらにお金が入ってくるような循環が生まれつつある。

もちろん、無駄遣いをするのではない。自炊も継続している。ただ、人のためになることや、やりたいと思ったことがあれば、迷わずにお金を使う。節約すべきところと、ケチってはいけないところを、しっかり見極める。

お金を使うことで、勢いも買えることがわかった。

消費には何かしらの行動が伴う。行動すると、自分に勢いがつく。勢いがつくと、楽しい。どうやらその「楽しさ」に人が引き寄せられるようで、たくさんの方から仕事につながるご連絡をいただいた。

最近は何かおもしろい情報を目にするたび、「この情報はあの人に教えてあげたら良さそうだな」と思いつき、すぐに連絡している。そこに損得勘定はない。

「知らなかった!ありがとう!」と言われることもあれば、「知ってるよ!」と言われることもある。

反応はどっちでもいい。相手が得する可能性が1%でもあれば、ただひたすらに与える。そのうち、「お返しに」とぼくにも情報が集まるようになる。そんな循環が楽しくて、また勢いがついてくる。

あとは、感謝と謙虚さを忘れずに、徳の土台を強固に積み上げていきたい。次の挑戦のためにも。

-エッセイ

執筆者:

関連記事

中村家の教育方針

よく、「若い頃に一流のモノにふれろ」と言われる。親であれば、「我が子には一流のモノにふれさせなさい」ということになる。 考えてみれば、ぼくの一番上の兄は良い例かもしれない。中学生の頃から(?)クラシッ …

共感を生む書き方のコツは「○○○で書く」こと

Q&Aとは少し違うのですが、昨日こんなメッセージをいただいたので、ご紹介します。 ところで、比較的最近なのですが、中村さんのブログを読んでいる際に偶然「もう一度、人に会いたい」という記事にたどり着いた …

カボスのおじさん

そのお店でラーメンを食べるのを楽しみにしていたから、「ガラガラ」とドアを開けた矢先、「悪いな、今日はもう店閉めちゃったんだ」と言われたときはショックだった。 「そうでしたか」 扉を閉めかけたぼくを、お …

『黄色いマンション 黒い猫』

エッセイの主要な賞について調べてみると、「講談社エッセイ賞」というのが有名らしい。ぼくの好きな長島有里枝さんの『背中の記憶』も、平成22年に受賞している。 そして今年、「講談社エッセイ賞」を受賞したと …