オーストリア 記憶の風景

【これぞチロルの風景】SLツィラータール鉄道とペンケン山(オーストリア)

投稿日:

185261_242524845787778_7345196_n

オーストリアのチロル州に、インスブルックというハプスブルク家ゆかりの古都がある。2011年から2013年の夏は、毎年この町に滞在し、様々な場所を訪問して過ごしていた。それはもう居心地の良い町で、1ヶ月間いても全然飽きないほどだ。

夜、小さな教会の横を通り過ぎると、中から賛美歌の練習が聴こえてきたりして、なんとも言えない感動があった。【インスブルックでのおすすめの過ごし方】という連載を始めたら、30回くらいは書ける自信があるが、今はやらない。

今日紹介したいのは、インスブルック滞在中に出会った、忘れられない風景。

インスブルック中央駅からローカル鉄道に乗って30分。イェンバッハという駅で降りると、隣のホームに、勢いよく煙を上げる蒸気機関車が待っていた。SLツィラータール鉄道だ。

1000899_598343573539235_1177053221_n

1098395_598343593539233_1194844972_n

「タール」とは、渓谷を意味する。SLツィラータール鉄道は1902年に開通した列車で、イェンバッハから南に延びるツィラータール(ツィラー渓谷)を進んでいく。1904年に造られた車両が、今も現役で一日2往復している。

1000503_598343526872573_1065615691_n

時速はわずか25km。非常にゆっくりとしているが、車窓から広がるのは「これぞチロル!」というような、素晴らしい牧歌的な風景。屋根のない展望車は、とにかく最高だった! 爽やかな風を受け、たくさんの牛や、絵本に出てきそうな尖塔の教会が立つ小さな町々を眺めながら、列車は進んでいった。

559968_598343613539231_431474484_n

994875_598343553539237_453317048_n

1時間45分かけて到着したのは、ツィラータール最奥の町、マイヤーホーフェン。感動の旅は、まだ終わらない。

マイヤーホーフェンは、人口わずか3800人程度だが、それでもチロル地方では4番目に大きな町。

1006313_598901110150148_920092356_n

駅を出てメインストリートを歩いて行くと、ロープウェイ乗り場がある。ロープウェイに乗って着いた先は、標高約2200mのペンケン山。そこにはチロリアンアルプスが誇る絶景が待っていた。

579580_598900956816830_1725673238_n

黄色の花々と山々の光景は、見事としか言いようがない。これまでたくさんの山にロープウェイで登ったが、この景色に勝る風景はなかった。

282810_598901023483490_1056360685_n

1017264_598900930150166_1911634077_n

993658_598900993483493_655063573_n

ガイドブックにはほとんど紹介されていないが、忘れられない風景である。

-オーストリア, 記憶の風景
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

【ゲーテが「生きた絵本」と称えた町】南ドイツ・ミッテンヴァルト

南ドイツのミッテンヴァルトは、ドイツアルプスに抱かれた小さな田舎町だが、毎年多くの観光客が訪れる。 この町が有名な理由は2つある。ひとつは、「ヴァイオリンの町」として。オーバーバイエルン地方で最も美し …

【埼玉県・権現堂堤】鮮やかに競演する桜と菜の花

桜の季節が近づいてきている。 思い出すのは、関東有数の桜の名所として知られている、埼玉県幸手市の権現堂堤の景色だ。 堤防上には約1000本のソメイヨシノが咲き、1kmにわたり桜並木が続いていた。 この …

インスブルックの小さな教会

これまでに、たくさんの国を訪れてきた。せっかく色んな場所を見てきたのだから、「何か旅のコラムを書いてみたい」と、以前から思っていた。 でも、おすすめの街などを紹介しようとすると、「この大聖堂は何年に建 …

【春の絶景】二子玉川の河川敷に広がる一面の菜の花

二子玉川の駅に向かって歩いていると、多摩川の土手が黄色く染まっていた。あまりにも見事な一面の菜の花。草をかき分け、夢中でシャッターを切り続けた。

ブルガリアの蜂の巣、ラトビアの花粉

ブルガリアで驚いたのは、ホテルの朝食会場に、蜂の巣が置かれていたことだ。 専用の器具を使って削り取り、ヨーグルトに入れた。ビックリしたけど、これがうまい。 一方、バルト三国で一番の大都会である、ラトビ …