ダリ美術館は異次元だった。
ツール・ド・ヨーロッパ
第29ステージ
オロト~フィゲレス
54km
オグスティ、アレキサンダーと別れた。しかしfacebookでつながることができた。いつでも連絡を取り合える。いつか必ずストックホルムへ行こう。
今日はフィゲレスへ向かう。オロトの標高が500mあったので、下り道が多かった。
いきなり最高の道が待っていた。目の前にはピレネーの山。いよいよだなぁ。
途中、断崖絶壁の上にある小さな村を見つけた。絶景だった。
名前のわからないこの村を、ぼくは勝手にポニョと名付けた。(崖の上だから)
順調に走り切り、フィゲレスにやってきた。
ここはフランスへの玄関口。すぐそこにピレネーが見えている。今日はスペイン最後の夜だ。
この街の観光スポットと言えば、ダリ美術館しかない。しかし、それだけを目当てに多くの観光客がやってくるそうだ。ダリとは、そんなにすごい画家なのだろうか。ぼくの中で、ダリは「不気味で奇妙な絵を描く人」という印象しかなかった。
いきなり、美術館そのものに圧倒された。なんだこれは・・・。卵・・・?
中に入ると、そこはダリの世界だった。
異次元空間だ。ダリのやりたい放題に空間が配置されている。
いたるところに驚かせるような仕掛けがある。
ダリの気持ちが感じられる。この美術館を作っているとき、彼はすごく気持ちよかったんだろうなぁ、と。ぼくは人がやりたい放題にやるのを見ると嬉しくなってくる。その人にしかできないことを、その人が本気を出して取り組んだら、もうそれだけで異次元になるのだ。
やはり得体の知れない奇妙な絵はたくさんあった。
だけど、慣れてくると面白い。どんどん他の絵が見たくなってくる。
普通の絵だって、すごくうまい。
これなんてすごく好きだ。
そして様々なオブジェ。
そしてこれ。
人の顔です。一つ一つのオブジェも作品だし、それの集合体でまた別の作品を作ってしまう。素晴らしい。
名作、『雨降りタクシー』
そして雨降りタクシーを眺めるオブジェ。
今まで多くの美術館に行ってきた。どこも面白かったけど、大抵はだんだんと絵を見るのに疲れてきて、「早く終わらないかなぁ」と思ってしまう。
だけど、この美術館は違かった。いつまで経っても飽きないし、疲れない。面白くてワクワクしてくる。わざわざフィゲレスへ来た甲斐がありました。もしバルセロナへ行く機会があれば、ちょっと足を延ばしてぜひフィゲレスのダリ美術館へ行ってみてください。一日使う価値は十分にあります。
そしてダリが好きになりました。彼は天才です。
美術館の余韻が大きすぎて、街の洋服屋さんの単なるオブジェがダリの作品に見えてしまう。
もう病気です笑
明日はいよいよフランスへ入ります。立ちはだかるピレネーを越えていきます。