インタビュー

「日本が大好きだから、ブルガリアにたくさんの日本人が来てほしい」ブルガリア日本語ガイド ナカジマ・スネジャーナさん

投稿日:2015年10月27日 更新日:

f:id:yota1029:20151027153003j:plain

「高校生のとき、友達のお父さんが東京のブルガリア大使館で働いていたんです。彼がたまにブルガリアに戻ってきたときに、日本のお土産をくれるんですが、その中に、喜多川歌麿の絵が描かれたカレンダーがありました。『えー⁉︎なんだろうこの絵は』ってすごく衝撃を受けました。それで、日本に興味が湧いて、ソフィア大学の日本語学科で勉強しました」

「ソフィア大学に日本語学科なんてあるんですか。ひと学年で何人くらいいたんですか?」

「20人くらいですね。今は小学校から日本語を教えているところもありますよ」

「えー、小学校から。どうして?需要があるんですか?」

「やっぱり、今の子どもたちは、日本の漫画が大好きだから、興味を持っている人も多いと思いますよ」

「スネジャーナさんが、初めて日本に来たのはいつだったんですか?」

「23歳のときでした。でも、勉強した日本語はあんまり役に立たなくて、『全然日本のこと知らなかった』って思いました。それで、また勉強をしました」

「実際に日本に来てみて、何かカルチャーショックはありましたか?」

「それが、不思議なことに、全然なかったんですよ。山手線に乗っているとき、小さな子どもが『ママ、外国人怖い』って泣いてたんですけど、私はどこに外国人がいるんだろうって周りを見渡してたんです。自分が外国人だということも忘れるくらい、日本に自然に溶け込んでいたんです」

「よっぽど日本が合っていたんでしょうね」

「そうですよ。だから日本からブルガリアに戻ると、いつも寂しくなります。でも、私がこれまで日本に案内してきたブルガリア人も、みんな同じことを言いますよ。日本は何もかも綺麗で、整っているのに、どうしてブルガリアは・・・って」

「そうなんですか」

「中村さんのことを言うわけではないですが、日本の若い人たちは、もっと日本の歴史とか文化を勉強しなくてはいけませんよ。みんな知らなすぎるでしょう。それと、今回のお客さんたちのような年齢の方たちが、戦後必死に頑張って、今の日本を築いてきたわけだから、その恩恵を忘れてはならないですよ。日本が好きだから、こういうこと言ってるんです。

これからの日本を作っていくのはあなたたちですよ。中村さん、頑張ってください」

-インタビュー

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

【“ニッポン”の発信基地 Vol.1】「和福女子」代表・古賀百合絵さん

コラム「“ニッポン”の発信基地」では、日本文化を発信するヒトやコトに焦点を当て、紹介していく。また、近年急激に伸びている「インバウンド・ビジネス」(訪日外国人観光客向けのビジネス)にも範囲を広げていき …

「日本のクラフトビールの魅力を、世界に広めたい」世界一周、ユニクロ店長を経て、ビールの道へ 袴田大輔さん

「中村さんにインタビューさせてください」 という突然のメッセージに、「光栄です!」と返したのは、彼の方が有名な人だったからです。といっても、それは5年前の話。 まだヨーロッパ自転車旅も成し遂げていない …

【教育に携わりたい】ぼくがミャンマーへ行く理由(後編)

(前編のあらすじ) 近所のラーメン屋で働いていたウィンチョさん・マティダさんご夫妻は、かつてアウンサンスーチーさんとともに国の民主化に向けて闘っていたミャンマー人だった。亡命後もなお、祖国への想いは尽 …

「ご先祖は徳川家康の茶道指南役」遠州流茶道 小堀優子さん

江戸初期に総合芸術家として活躍した大名茶人・小堀遠州は、将軍徳川家の茶道指南役だった人物です。 少年時代の小堀遠州が千利休と出会ってから3年後、利休は秀吉の朝鮮出兵に反対して秀吉の怒りをかい、切腹しま …

【Q&Aコーナー】「インタビューする際に意識していることは何ですか?」

Q&Aコーナーを設けて質問を募集してから、ついに最初の質問が届きました!昨年インタビューさせていただいた、「kai pearl」の塔筋真弓さんからでした。 お久しぶり〜!質問を受け付けているということ …