「全盲のセーラーが、ヨットで太平洋を横断する」
成功したら世界初となる偉業に挑む、岩本光弘さんと再会しました。アメリカから一時帰国中でした。
岩本さんは、2019年2月24日に米サンディエゴを出発し、約2ヶ月間、途中どこにも寄港せず、動力なし、つまり風の力だけを頼りに日本を目指してヨットで進んでいきます。
その挑戦の資金集めは、クラウドファンディングで。見事目標を達成し、424万7000円を集めました。
多感な思春期に少しずつ視力が落ちていき、高校生の時に完全に目が見えなくなりました。その絶望から自殺を図ったこともあったそうです。しかし、「一度切りの人生、ネガティブに不幸を呪うくらいなら、ポジティブに希望を求めて生きろ」とおじさんに言われ、岩本さんは自分の生きる意味や使命感を意識するようになったと言います。
「見えない」自分が挑戦することで、みんなに「一歩を踏み出す勇気」を与えられる。それは自分だからできることなんだと。そんな想いが根底にあり、とにかくポジティブ。
挑戦に対して頭ごなしに批判してくる人もいるけれど、そんな「ドリームキラー」の言葉で諦めるわけにいかない、夢を応援してくれる「ドリームサポーター」とともに前に進むんだと、強い意志を持って準備に取り組まれています。
岩本さんは学校や企業の研修でもよく講演されるのですが、今日はそこで話される内容のことも聞かせていただけました。
「変えられない環境を変えようとしないこと。夢や目標を持ち、人に話す。語り続ければ、必ず応援者が現れる。行動を起こす。そして全てのことには意味があると信じること」
すごくパワーのある言葉でした。
彼とは、昨年サンディエゴで出会いました。ぼくがアメリカ西海岸縦断に挑戦する直前に、興味を持って話を聞いてくださいました。
岩本さんのヨットとぼくの自転車旅では挑戦の規模が異なりますが、「自分の限界に挑みたい」「人がやらない挑戦を通して勇気を与えたい」と思っていることは共通していて、辛い部分も含めて共感できることが多いのです。
ちなみに岩本さんはトライアスロンもされる方で、スイム3.8km、自転車180km、マラソン42.195kmのアイアンマンレースも完走済み。信じられない方です。
チャレンジの成功を祈っています。