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2019年 読んで良かった本ベスト20

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2019年は良質な本やマンガにたくさん出会えた一年でした!

とりわけ良かった作品をご紹介します!(順不同です!)

『直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN』

直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN
佐宗 邦威
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 716

「他人モード」にハイジャックされた脳を、「自分モード」に切り替えるためには?「妄想を価値に変える働き方」がテーマです。

『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』

1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法
山口揚平
プレジデント社
売り上げランキング: 7,830

正直、タイトルは内容とあまり関係がなく(単に著者が1日3時間しか働いていないだけ)、内容は良いです。なぜ「考えること」が大切なのか、2020年以降の世の中の価値観がどう変わっていくか、個人は何を考えて生きていくべきか、天才性の話、人生の意味を生存→創造へ転換できるか、など色々と勉強になりました。 『お金2.0』よりも、お金の未来について深い洞察が書かれているなと。

また、人生の意味を創造に変えるためのひとつの方法として、「ニートとして1〜2年、名実ともに生産を放棄する期間を設けてみる」という著者の意見があるのですが、幸か不幸か今年難病になり半年間働かない生活を実現できました。あえて「生産を放棄する」ことで、見えてくるものは必ずあると思います。

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』

この本は、次の『ハウ・トゥ アート・シンキング』と併せて読むとさらに良いと思います。なぜ今「アート」の重要性がビジネスにおいても増してきているのか、論理的な考察がなされています。

『ハウ・トゥ アート・シンキング 閉塞感を打ち破る自分起点の思考法』

ハウ・トゥ アート・シンキング 閉塞感を打ち破る自分起点の思考法
若宮 和男
実業之日本社
売り上げランキング: 1,962

自己理解が深まる、文句なしの一冊。誰かに合わせて自分の個性を殺していてはもったいない!「ちがい」こそが価値になる時代。「偏愛」を大切にしましょう。著者に感謝です。

『アフターデジタル』

アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る
藤井 保文 尾原 和啓
日経BP
売り上げランキング: 122

ビジネスパーソンなら必読の、今年を代表する一冊。1歩も2歩も進んでいる中国の事例から学びましょう。

『日本人の勝算: 人口減少×高齢化×資本主義』

日本人の勝算: 人口減少×高齢化×資本主義
デービッド アトキンソン
東洋経済新報社
売り上げランキング: 446

「ご存じの通り、日本ではすでに少子化が始まり、子どもの数が年々減っています。1950年に全人口の55%もいた24歳以下の人口は、2030年には18%まで低下します。18%まで減少する以上、大学のあり方そのものを転換しなければなりません。国民の55%を対象としていた時代の延長線上で、国民の18%の教育を議論するべきではありません。国民の82%をどう教育するかが課題となっているのです」(「はじめに」より)

『影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか』

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか
ロバート・B・チャルディーニ
誠信書房
売り上げランキング: 440

予約したままやって来ない客の問題で悩んでいたあるレストランは、客の予約時に「変更がありましたらご連絡ください」→「変更がありましたらご連絡いただけますか?」と尋ね、答えを待つようにしただけで、店に現れない予約客の割合が30%→10%に減ったそう。相手に「はい」と言わせるだけで変わる。コミットメントの威力を示す好例です。なぜ、人は動かされるのか? 思わず頷いてしまう事例が豊富にあります。

『サードドア: 精神的資産のふやし方』

サードドア: 精神的資産のふやし方
アレックス バナヤン
東洋経済新報社
売り上げランキング: 126

自分の足で動いたことのある人なら、きっと共感できる部分が多いはずだし、他人のエピソードを自分事として捉えられる人にとっては、価値のある一冊。誰かがレビューにも書いていたとおり、「サードドアを開けたことのない者にはわからない」かもしれない。

『わたしの知らないわたしへ』

わたしの知らないわたしへ: 自分を生きるためのノート
ヒュー プレイサー
日本教文社
売り上げランキング: 547,523

著者の深い自己観察力から多くの気付きを得ました。読み終えた時に50年前の本だと知り驚いた。本質的なものは色褪せません。




ここから奥深い中国の世界に入っていきます。

三国志を読み始めるまで歴史には全然興味を持てなかったのですが、読み始めると「どハマり」もいいところ。本当に面白いです。三国志や史記やキングダムなど、読みやすいマンガから入るのもオススメです。

『三国志』(マンガと小説、どちらもオススメ)

三国志 全60巻箱入 (希望コミックス)
横山 光輝
潮出版社 (2000-04-01)
売り上げランキング: 23,832
三国志 (1) (吉川英治歴史時代文庫 33)
吉川 英治
講談社
売り上げランキング: 10,883

2000年前の人間も、今と全く変わらない。人の個性が生き生きと描かれています。天才・諸葛孔明が登場してからがより盛り上がる。

『史記』(マンガと原作、どちらもオススメ)

史記 全11巻セット (小学館文庫)
横山 光輝
小学館
売り上げランキング: 48,943
史記 全8巻セット (ちくま学芸文庫)
司馬 遷
筑摩書房
売り上げランキング: 31,235

春秋戦国時代は人材が豊か。人間力が上がります。『キングダム』のベースになっている物語なので、『史記』を読んでおくとより楽しめます。

『キングダム』

キングダム 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
集英社 (2012-06-22)
売り上げランキング: 736

とにかく夢中になれる作品。一気読みして多幸感。

『始皇帝 中華統一の思想 『キングダム』で解く中国大陸の謎』

始皇帝 中華統一の思想 『キングダム』で解く中国大陸の謎 (集英社新書)
渡邉 義浩
集英社 (2019-04-17)
売り上げランキング: 14,408

キングダムを読んだ後にこれ読むと理解深まります。

『項羽と劉邦』

項羽と劉邦(上) (新潮文庫)
司馬 遼太郎
新潮社
売り上げランキング: 12,625

個人的に今年読んだ中で一番好きな本です。

『項羽と劉邦』の最も魅力的な点は、名家の出身で凄まじい武力を持つ項羽と、普通の農家に生まれ、四十になってもろくに働きもせずに仲間と飲んだくれてばかりで、家族からも「ろくでなし」と言われていた劉邦。この二人が大陸の覇権をかけて争い、何故か最後には劉邦が勝って漢帝国の皇帝にまでなってしまう、というところにあります。

項羽は「強さ」の象徴で、劉邦は「かわいげ」の象徴でした。『項羽と劉邦』は、「かわいげは強さに勝る」ということを教えてくれる作品だと感じました。周囲を見渡しても、礼儀を重んじず、能力だけで物事を考える人はいます。能力さえあれば傲慢であっても天下は取れると。だけど果たしてその考え方で、人はついてくるのか。何かを成し遂げるには、必ず人の応援が必要になります。劉邦が天下を取れたのは、項羽よりも劉邦に国を治めてほしい、と思う人が多かったからかもしれない。

では、どうしたら人に応援されるのか?言い換えれば、人はどんな人を応援したくなるのか?自分が誰かのことを応援している時、「その人の何が応援したい気持ちにさせるのだろう?」と考えてみることで、何か有益な学びを得られるかもしれません。あるいは、それを考えるうえで、劉邦の生き様は参考になります。

『歴史を応用する力』

歴史を応用する力 (中公文庫)
宮城谷 昌光
中央公論新社 (2019-03-20)
売り上げランキング: 80,575

『項羽と劉邦』の解説書としても楽しめる一冊でした。

『楽毅』

楽毅(一) (新潮文庫)
宮城谷 昌光
新潮社
売り上げランキング: 11,808

「人が見事に生きるとはどういうことなのか」
それが本書に通貫するテーマで、楽毅の生涯を通して描かれています。当時の中国では、人が最後まで見事に生きるのは難しかった。というのも、王でも宰相でも将軍でも、多くの偉業を成し遂げた伝説的な人物たちが、最後は側近に恨まれたりして、非業の死を遂げたケースが多いから。たとえば改革により秦の中国統一の基礎を作った商鞅でさえ、太子の恨みを買って最後は車裂きの刑で殺された。王に気に入られていても王子には疎まれる、ということがたびたびあった。

その点、歴史をよく学んでいた楽毅は数々の成功を収める一方で、「ここで図に乗ったら人に恨まれるだろう」という火種を絶やしながら謙虚に生きてきた。大勢から賞賛されるような人でも、それを気にくわない一部の人たちが常に落ち度を狙っている。うまくいったときにどういう姿勢でいるべきか。楽毅はそれをわかっているから、最後まで罠をかわし、非業の死を遂げることなく、見事に生きた。

『貞観政要』

貞観政要 (ちくま学芸文庫)
呉 兢
筑摩書房
売り上げランキング: 655

中国の唐時代の名君と名臣たちの問答集なのですが、内容の4分の1くらいは「お前たち、頼むから王である私に言いづらいことがあっても、正直に言ってくれよな。都合の悪いことを言っても罰したりしないと約束するから、隠さないでくれ。どの王朝もそれが原因で滅んだのだから」というもの。

かつてこんな立派な名君がいたのかと、ひたすら感動するようなやりとりばかり。読むだけで人間力が上がりそうな本でした。組織の上に立つ人こそ読んでほしいです。

『‬日本の「中国人」社会 ‪』‬

日本の「中国人」社会 (日経プレミアシリーズ)
中島 恵
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 8,530

‪日本在住の中国人は今や高知県の人口とほぼ同じ約73万人。日本の中国人コミュニティを「中国の縮図」と捉え、現地取材や彼らへのインタビューを通して中国への理解を深めてくれる一冊です。

『華僑 大資産家の成功法則 お金がなくても夢をかなえられる8つの教え』

華僑 大資産家の成功法則 お金がなくても夢をかなえられる8つの教え
小方 功
実業之日本社
売り上げランキング: 258,494

「100万円の事業資金で起業し、2年以内に1000万円にして株式会社を作ろう」
しかし著者には金も経験も人脈もない。そんなとき、留学先の中国で出会ったのがひとりの大資産家でした。彼との出会いが運命を変えた。財を成す華僑の人たちが大切にしていることとは何なのか? 東証一部上場企業「ラクーン」創業者の実話です。

『中国古典の言行録』

中国古典の言行録 (文春文庫)
宮城谷 昌光
文藝春秋
売り上げランキング: 159,370

数多くの中国歴史小説を描いてきた宮城谷先生ならではの含蓄に富んだ一冊。古い本ですが、内容は素晴らしいです。

最後までご覧いただきありがとうございました!

歴史の面白さを知ってしまったので、2020年も塩野七生さんの著作など、たくさんの本を読みたいと思います!

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