お知らせ やってみた 読んでみた

個人でベーシックインカムの実験を始めることにした

投稿日:2017年8月9日 更新日:

(2017年10月5日追記)「希望の党」がベーシックインカムを公約に掲げてビックリしました・・・。

フィンランドにオランダにカナダにと、海外ではどんどんベーシックインカムの実証実験が始まっていますが、まだまだ日本が実際に動き出すとは到底思えません。

ベーシックインカムとは・・・

日本語では「基本所得」と訳されますが、「すべての人」に「無条件」で「毎月、一定額」を支給するというのが特徴の社会保障政策です。生活保護や失業手当などとの最大の違いは「無条件」ということです。生活保護や失業手当を受給するためには所得や仕事の有る無しなどが問われ、行政に書類申請することが必要です。

しかしベーシックインカムは、何の制限もなく、自動的に国からお金が振り込まれる仕組みとなっています。お金はすべての人が対象ですから、生活に困っている人だけでなく、収入の安定した人も、子どもにも全員に給付されるというのが本来の仕組みです。
(NHK NEWS WEB)

「無条件でお金を渡したら、ちゃんと働く人が減ってしまうのではないか」

というのが、ベーシックインカムに対する代表的な反対意見です。最初はぼくもそう思いました。というか、今も半信半疑なのですが。

しかし、ルトガー・ブレグマンの『隷属なき道』という本に登場する、過去に実際に行われたロンドンやカナダ、アメリカの一部の町でのベーシックインカム実験とその研究結果を聞いていると、もしかしたらその懸念とは逆のことが起こるのかも???と感じています。

隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働
ルトガー ブレグマン
文藝春秋
売り上げランキング: 142

 

詳しくは本書を読んでいただきたいですが、結論から言うと、ベーシックインカムの支給が犯罪、家庭内暴力、心の病気などの減少につながり、経済成長や男女平等の改善をもたらすという結果を生んでいます。ホームレスの人たちの意識や生活の質も大きく向上し、仕事をするようになり、結果的にベーシックインカムに頼らずとも自分で稼げるようになったりして。

もし、ベーシックインカムが本当に価値のあることで、社会の課題解決につながる政策だとしたら、このまま国が動くのを待つ時間分、大きな損失になってしまいます。待っていても始まらないので、試しに自分で疑似的な実験をしてみようと思いました。

毎月15万円が、無条件でぼくの手元に入ってくる仕組みを作ります。

これは、まったくもってバカバカしい仕組みですが、単に自分の預金用の口座から、毎月15万円を引き出して、それを「ベーシックインカム」だと信じ込んで、受け取るだけです。

それは収入でも何でもないじゃないか、と言われればおっしゃる通りなのですが、意識の問題って割とバカにできません。「よっぽどのことがない限り使わない」ようにしようと決めていたお金を「遠慮なく使っていい」インカムだと信じ込むことによって、何が起きるのか。それが実験の趣旨です。

ぼくは、ベーシックインカムの肝は、「心の余裕が生まれる」ことにあると思っています。

たとえば、「全然収入がなく、とにかく食つなぐために仕事をしなければならない」という余裕のない状況だと、

・収入に直結することしかやらない
・短期的な結果を求めがちになる
・やりたくないことでもやるしかなくなる
・本来使うべき場面でさえお金をケチる

などの問題が起きがちです。総じて、仕事や生活の幅が広がらないのです。

しかし、クリエイティブなアイデアを生むためには、あるいは長期的な成功をもたらす働き方をするためには、これらとは反対の状況に自分を置かないといけないと思っています。

仕事とは関係ないけど興味のある分野の本を読んでみたり、おもしろい人に会いに行ってみたり、展覧会やイベントに行ってみたり、遊んでみたり、そういう意外なところから、新しい価値が生まれたりします。

フリーランスになって安定しないうちは、なかなか毎月の生活費を稼ぐのが大変なものです。以前、「もうちょっとできると思っていた」という記事に本音を書きました。「隣の芝は…」ではないですが、サラリーマン時代はもっと幻想を抱いていました。フリーランスの人ってたくさん稼いでるイメージがありました。

でも実際は、ピンキリです。メッチャ稼いでる人もいれば、サラリーマン時代の方がよかったという人もいます。そこからドンドン収入が上がっていく人もいれば、そのまま変わらない人もいるでしょう。

ぼくがベーシックインカムに興味を持ったのは、金銭的な余裕から派生する「心の余裕」が、長い目で見たときに様々な問題を解決するのではないかと感じたからです。文章も、心に余裕があるときの方が、感性豊かな記事を書けたりします。

今は失敗したとしても、まずは自分の預金が減るだけなので、いいかなと思っています。

たとえば半年と決めて、半年のうちに「ベーシックインカムなんてもういらないよ」と思えるくらい余裕で暮らしていけるまで仕事が回り始めたら、これは大きな成果です。やっぱり仕事を大きく回すためには、最初にある程度の投資も必要だなと感じています。

「毎月15万円」を自分のベーシックインカムと見立て、それによって自分の働き方や人生にどのような変化が起きるのかをよく観察し、発信していきたいです。

あるいは、もう少し本当のベーシックインカムっぽくするために、たとえばベーシックインカムの考え方に共感している金銭的に余裕のある方々15名と組んで、毎月1万円ずつ出してもらえたら、どんなことが起きるのかなと実験してみるのもありかもしれません。そんな方々が実際にいらっしゃったら、の話ですが。

とりあえず、自分で実験してみます。

-お知らせ, やってみた, 読んでみた
-,

執筆者:

関連記事

ガウディ「人間は何も創造しない。ただ、発見するだけである」

2014年に、六本木ヒルズで開催された「ガウディ×井上雄彦展 シンクロする創造の源泉」という展覧会に行った。 漫画家井上雄彦の目を通して、建築家ガウディの生涯を辿るという特別展。バルセロナには行ったこ …

【2018年12月28日更新】これまでに外部メディアで書いた記事をまとめました

2017年にライターとして独立して以来、様々な外部メディアで記事を書いてきました。その一覧ページを作成しました。随時更新していきます! ※お仕事のご依頼・ご相談はこちらからお願いします↓ お問い合わせ …

インタビュー記事が紙面に掲載されました

インタビューしていただいた記事が誌面に載りました!‬ ‪こちらは東証一部上場企業「ミロク情報サービス(MJS)」さんの社内報で、1500人の従業員が目にするそうです。 ぼくが旅を始めた経緯や、旅の価値 …

【お知らせ】エルモンテRVジャパンの協賛が決定!キャンピングカーで3泊4日、聖地セドナへ走ります!

アメリカ出発まで残り2日。最後までミラクルが続いています。新たな協賛企業が決まりましたので、本日ご挨拶に伺ってきました。 その企業とは、アメリカでのキャンピングカーのレンタル事業を専門に取り扱う「株式 …

「あなたが経験したことは、この世のどんな力も奪えない」(『夜と霧』を読んで)

20世紀を代表する名著と言われる『夜と霧』を読み終えました。 それはそれは、人間の本質に迫る素晴らしい作品でした。 著者はアウシュヴィッツ強制収容所ほか、数々の強制収容所に収容されていた著名な心理学者 …